米澤穂信「リカーシブル」(新潮文庫)

 

全体的に曇ったような雰囲気のある小説だった。「ひぐらしのなく頃に」のような。

 

ただ、ハルカが一連の出来事の真相に気づくのがなんだか突然だった気がする。

これだけの知能があって中学1年生っていうのも微妙。高1のほうがリアリティがあったと思う。

 

米澤穂信は大好きな作家だけれど、この作品や「ボトルネック」のような暗みのある感じはあんまり好きになれない。〈古典部〉シリーズや〈小市民〉シリーズのような多少明るい話を書いてほしいみたいなところはある。

 

リカーシブル (新潮文庫)

リカーシブル (新潮文庫)

 
ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 (上) (星海社文庫)

ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 (上) (星海社文庫)

 
ボトルネック (新潮文庫)

ボトルネック (新潮文庫)

 

 

 

 

住野よる「君の膵臓をたべたい」(双葉文庫)

 

単行本で出たときから「なんじゃこのタイトルは」と気になっていた。 

 

ずっと読みたい本リストに入っていたのだけれど、この前コナンの映画を観に行ったときに予告編が流れて、「あ、これ読まなきゃ!」となったタイミングで文庫化された。ぼくは文庫本が大好きなので、今すぐに読みたい小説でも文庫化されるまでダラダラと待ってしまう。単行本は高いし、持ち運びに向かない。

 

内容は、ラノベ感6割引の「半分の月がのぼる空」って感じだった。

スクールカースト下位層の男が上位層の女と付き合うタイプの奴、最近良く見る気がするんだけど、流行ってるのかね。

基本的にずっと「若い男女が付き合う直前のあの甘い雰囲気」を漂わせていて、ぼくの大好物じゃんってなった。

 

表紙のイラストのこの感じ、どっかで見たことあるなと思って調べてみたら、今期やってる「月がきれい」ってアニメのキャラデザと同じ人が描いてるのね。

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

  

 

雑誌「ダ・ヴィンチ 2017年5月号」

 

星野源が好きになれない。

 

事あるごとに、星野源が話題に登る度に、言い散らかしてることだけど、絶対コイツは裏で悪いことやってる奴だと思う。それでも、音楽家・俳優・文筆家の3つの顔をもつコイツに、ぼくは尊敬の気持ちを捨てきれない。

 

雑誌について少し考えてみると、もちろん「雑誌が主題としているそのジャンルについての最新情報」を得るための媒体ではあるのだけれども、それだけじゃなくて、「このジャンルの構成者であるための参加券」みたいなところもあるんじゃないかと思う。

 

こいつ何言ってんだと思うかもしれないけど、そこは分かってくれよ。ぼくも分からないんだから。

 

なんていうか、たとえば、ダ・ヴィンチだったら「本とコミックの情報マガジン」ってことになってるんだけど、「本とかコミックとかに興味がある人だったら、ダ・ヴィンチくらい読んどかないとね」みたいな自己満足を満たすっていうことも、雑誌の役割の1つに入ってるんじゃないかなって。

 

そんなぼくは、このダ・ヴィンチを買ったり買わなかったり買うのを忘れたりで飛び飛びで読んでいる。だって、そこそこ高いんだもの。

 

ダ・ヴィンチ 2017年5月号

ダ・ヴィンチ 2017年5月号

 

 

太宰治「ヴィヨンの妻」(新潮文庫)

 

トカトントン」が好きだ。

 

太宰を読むと、「ぼくは太宰治だ...津島修治だ...」ってなるんだけど、家庭を顧みずに酒に煙草に勤しむ彼だけには共感できない。それは、ぼくが家庭をもったことがないからなのか、酒呑みではないからなのだろうか。

 

Wikipediaで太宰の身長が175cmと当時にしては大柄であったことを知って驚いた。

 

 

ヴィヨンの妻 (新潮文庫)

ヴィヨンの妻 (新潮文庫)